競馬人気はどこまで復活するか
2018/07/25
あるスポーツ系の雑誌の記事を読んでいると、2016年の有馬記念の勝馬投票券の売上が15年ぶりに400億円を超えたということでした。
実に前年の有馬記念の勝馬投票券の売上よりも8%近くも伸びたということでもありました。競馬ファンにとっては悪いニュースではないことは確かなのですが、競馬人気の最盛期を知っている人間にとってはそれでも物足りない感じがするのも確かです。
バブル経済の影響があったのか、無かったのかはよくわかりませんが、1996年の有馬記念の勝馬投票券の売上はなんと875億円もあったということですから、それに比べれ見れば回復してきたとは言っても1996年の半分程度になっています。
それに1996年当時と比べれば、勝馬投票券の種類なども現在の方がたくさんありますから、単純に回復していると言う訳にもいかない事情もあります。ほんとに1996年と比べるならば、同じ種類勝馬投票券で比べなければ比較の意味は少なくなってしまいます。
有馬記念勝馬投票券の売上の上位の年を見てみると1990年代がほとんどを占めていることを考えてみれば競馬人気のピークは1990年代であったと考えてもいいでしょう。
有馬記念の勝馬投票券の売上だけではなく、年度別の勝馬投票券の売上を見てみても1990年代に3兆円を突破して1997年には4兆円を超えていたこともあります。
それからどんどんと減少する一方で、最近では勝馬投票券の売上は2兆5千億円を下回る水準で推移しているようです。競馬と言えばギャンブルのイメージがあまりにも強いですが、それだけではなく競馬場へ足を運んでみればわかりますが、研ぎ澄まされたサラブレッドの馬体は何と美しいものだろうと感心することも確かです。
勝馬投票券を購入して競馬のレースを見ることが楽しいことは論を待ちませんが、勝馬投票券を購入せずに競馬のレースを見ていても楽しいのです。
そして、最近では外国人や地方競馬出身のジョッキーが活躍していたり、日本のサラブレッドが競馬の本場と言われるヨーロッパのレースでも好成績を収めたり、ヨーロッパのレースの勝馬投票券を日本で発売するなど競馬の楽しみ方も広がってきました。
このような努力がようやく実を結んで来ているような感じがして、最近では勝馬投票券の売上が徐々に回復していることも数字が示しています。
競馬ファンから見れば1990年代のような熱狂は戻らなくても、素晴らしいレースを見せてくれることで後に続く競馬ファンを作ってほしいと思うのです。