連単系・連複系、どちらを買うかの判断基準
2018/07/25
中央競馬では、様々な馬券形式が販売されています。馬券の基本と言われる単勝から、玄人好みの複勝、ワイド、そして大金狙いのWIN5……。ただ、多くの方にとって、もっとも馴染みのある馬券は、馬連、馬単、3連複、3連単と言った種類の馬券ではないかと思います。
馬連より馬単、3連複より3連単と、連複系の馬券より、後者の連単系の馬券の方が、配当が大きくなることは当然おわかりかと思います。しかし、それに伴い、多くの場合には買い目も多くなってしまいます。ただ漠然と配当が大きいからと言って、連単系の馬券を購入していると、実は回収率(回収額/投入額)が悪くなってしまうわけです。
勿論、馬券の好みの問題もありますし、出来るだけ大きな配当でスカッとしたいという方も居るでしょうから、単純に回収率だけで馬券の購入種類を決められるものでもありません。
とは言え、特に大きなこだわりがない場合には、長期的には回収率を良くすることが良いことに越したことはありません。そこで、ある程度どの馬券を購入するかの目安があれば良いということになります。勿論、レース毎に順当が予想されたり荒れることが予想されますので、その場に応じて馬券戦略を変えることは当然です。尚、ここでは、軸馬、つまり自分の買い目において中心、或いは全てに絡んでいる馬が居ることを前提としています。
1・馬連と馬単の選択基準
まず、基本的な馬券である馬連と馬単で悩んだ場合です。大前提として、馬連の払戻率は77.5%、馬単の払戻率は75.0%(共に目安)ですから、この時点で若干馬連の方が有利ということになります。その上で、単純明快に言って、馬単を購入する場合は、「頭」つまり単勝である程度自信がある軸馬がいる時に、その馬を1着付に出来ることが前提と言えるでしょう。
よく軸馬の1着付、2着付の表裏共に購入する方が居ますが、その場合、買い目は単純計算で2倍になります。ただ、軸馬より人気薄の方が1着に来ても、馬連の馬券の2倍以上の配当が付くことは、実はそうはありませんし、そもそも人気薄が勝つこと自体そうはありません。
ですから、回収率で言うと、馬単の表裏を購入するぐらいなら、むしろ馬連を2倍買いした方が良くなるケースがかなり多く、長期的視点で見れば有利になります。馬単を買う場合には、軸馬が単勝でも自信のあるレベルであるかどうかがキーポイントになります。
2・3連複と3連単の選択基準
ここでもまず注意しなくてはならないのは払戻率です。3連複が75.0%、3連単が72.5%(共に目安)ですので、馬連同様3連複の方が若干有利です。さて、共に軸馬を1頭とした場合であれ、複数頭をボックスにした場合であれ、3連単の購入額は3連複の6倍になることに注意しなくてはなりません。つまり、単純計算で言うと、長期的な視点で見れば、3連単の配当が3連複の配当の平均的に6倍はないと、不利ということになります。
しかし、現実には、3連単の配当が3連複の配当の6倍を超えることはほとんどなく、下手をすると3倍強程度のことも多々あります。これは人気馬が頭で来た場合に特に顕著で、3連単は回収率で言うと、かなり不利な馬券と言えます。
ですから、馬単同様、軸馬が頭で購入出来る馬の場合にのみ、3連単を購入するというのが最初のセオリーなのですが、3連単は更にヒモ(軸馬の相手馬)もそれぞれ(2着・3着と)着順指定しなくてはなりません。その分も3連複よりドンドン買い目が増えてしまう要素なので、その点もかなり不利と言えます。
結局のところ、3連単を購入する場合には、軸馬に自信がある上で、更にヒモもある程度絞れる場合のみ購入すると言うのがセオリーになります。ただ、軸馬には自信があるが、他の2・3着に何が来るかよくわからず、大いに荒れる可能性がある場合には、多少手を広げることもありでしょう。他の場合には、3連複を購入するのが無難と言えます。
以上のように、長期的な回収率だけで見れば、連単系は連複系より限定された条件でしか手が出せないということになりますが、やはりレースの出走馬の力関係の把握やオッズとの比較をしっかり見極められるかがキーポイントです。
その場に応じた柔軟な馬券戦略が重要なことは、言うまでもありません。